老後に必要な資金を貯める② 〜どうやって用意する?〜

前回、老後に必要な資金は5760万円と試算しました。

このような膨大な金額をどのように用意すれば良いのでしょうか?

まず、5760万円というお金の意味を整理します。このお金は「退職後から寿命まで」に必要なお金であり、退職後すぐに必要なわけではありません。
よって、退職時点で5760万円を用意しなくていいわけです。一般的に退職時点で必要なお金は、住宅ローン等の借入金分だと言われています。これは、退職後から年金受給までは無収入になる訳ですから、借金は返済しておく必要があるからです。
ただ、このような借金は、会社勤めのサラリーマンであれば、退職金で十分返済できる金額になっていると思われますので、心配ありません。
当然、自営業等で退職金がないのに借入金が残っている場合は、できるだけリタイヤする前に返済しておく必要があるでしょう。

前述の通り、退職時点で5760万円は必要ないのですが、全てが必要ないかというと、そうではありません。一部が退職時点で必要で、残りが退職後に稼ぐ金額になります。その内訳は、以下になります。
①退職後にもらえるお金 … 年金
②退職時点で必要なお金 … 貯蓄、運用など

では、それぞれの内訳を詳細に見ていきます。

【①退職後にもらえるお金 … 年金】
年金の受給金額は人それぞれなので、見込金額を知りたい方は日本年金機構のサイトで計算してみてください。ただ、このサイトはあらかじめ登録作業が必要なので、これが面倒くさいと思う人は「年金 シミュレーション」などで検索すると、民間企業が提供している年金受給額計算サイトが検索できます。

私の場合、妻の分も合わせて「月額24万円」と試算されました。
月額24万円というとは、年額で288万円、退職後から寿命までの期間を15年としましたので、合計で4320万円は年金でもらえると想定されます。(当然、今の年金の仕組みが維持されれば…の話ですが…)

<計算式>
 年金の月額支給金額 ☓ 12ヶ月 ☓ 退職後から寿命までの年数

<具体例>
 24万 ☓ 12ヶ月 ☓ 15年 = 4320万円

さて、残りの1440万円(5760万ー4320万)をどのように用意するかがポイントになります。

【②退職時点で必要なお金 … 貯蓄、運用など】
残りの1440万円は、自分で用意するしかありません。
もし退職金がこれ以上に残っていれば、もう老後資金は十分なので、何も心配せずに、セカンドライフを楽しみましょう!
退職金などが期待できない場合、現役時代中に貯蓄もしくは運用になるかと思います。

・貯蓄派
 20歳で就職した場合、65歳の定年までに45年あります。45年で1440万円を貯めようとしたら、毎年32万円を貯めれば良い計算になりますので、そこまで難しい貯蓄ではないと思います。しかし、この間には、結婚費用、教育費や住宅費など色々なライフイベントがありますので、いつも順調に32万円が貯蓄できるとは限らないことに注意が必要です。

・運用派
 運用で1440万円を貯めようとした場合、運用利率は年3%として、
  20年で運用する場合、毎年54万円を積立
  30年で運用する場合、毎年30万円を積立
 となります。
これも30年くらいのスパンであれば、積立金額に無理は無いと思いますが「年利3%」で運用を続けないといけないことに注意しないといけません。

==
さて、2回に渡り老後の必要資金とどのように貯めるかを見てきました。
生活費、寿命ともに家庭、個人での違いあるので、ご自身に当てはめてみてください。

大切なのは、計算結果に一喜一憂するのではなく「今、老後を想定し、打てる手を打っておく」ということです。実際の老後はどうなるか誰にもわかりません。わからないから不安にもなります。しかし不安のまま過ごしていても仕方ありません。

今できることを可能な限りしておく。

これが最も安心できる対策だと思います。







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